値段が高い(あるいは安い)という際、私たちは無意識のうちに、目につく比べやすいもの同士を比較して言っていることがあります。
たとえば、ある晩、夕食を買いにスーパーに行った際、500円のレトルトカレーAと棚にある他のレトルトカレーを比べて、Aは美味しいけれど「高いから」という理由で買うことをやめたとします。その後、いろいろ店内を見た挙句、仕事帰りで疲れていたこともあり、結局、価格の割に味のよいカレー屋Xで1,000円のカレーを外食したとします。
この場合、レトルトカレーを選ぶ場面でのAは他のレトルトカレーと比べて「高い」ですが、この日の夕食として何を食べるかという目線まで視野を広げてみると、カレー屋Xでの外食1,000円よりレトルトカレーAの500円は「安い」となり、Aを選ばなかったのはよかったのか、という疑問がわきます。
ものやサービスを選ぶ際、価格は分かりやすいシグナルですが、こと「高い」「安い」という判断は、自分にとって比べやすいもの同士を無意識に比べて言っていることがあります。自分は何と比較して高い(あるいは安い)と言っているのか、比較する範囲はそれでよいのか、よく考えてみる必要があります。