私は癌サバイバーですので、癌を経験しての気づきを振り返りたいと思います。
※写真は癌での手術入院中に病室から見えた富士山です。
癌が見つかった経緯ですが、人間ドックで受けた腫瘍マーカーのうち前立腺癌の項目で基準値を少し超えたことが最初のきっかけです。その後、精密検査を行うため泌尿器科に通い、CT検査→服薬→再度の腫瘍マーカー→MRI検査→生検とすすみ、前立腺癌の確定診断を受けました。
ちょうど、その頃、ある顔見知りの方が急逝しました。この方は自分より10歳以上若く、普段、言葉を交わす際の印象も健康そのものであったため、驚きだったのですが、連絡をいただいたご家族の方によると心臓で急にということでした。
この方の急死の連絡をいただいた事と、自分の癌診断のタイミングが偶然にも同じ時期であったこともあり、自分にとっての死というものが急に自分に迫ってきました。
作家の寺山修司は「生が終わって死が始まるのではない。生が終われば死もまた終わってしまう」と言いました。
このとき、この言葉の意味が自分の身体に沁みわたりました。
生は常に死を内包しており、生きている者はいつ死んでもおかしくないし、死にあたって何の文句も言えない、ということを言葉の字面ではなく、肌感覚で理解しました。
自分なりの言葉で表現すれば、死は自分の影と同じです。生まれてからずっと自分の影は自分について回っています。普段、自分の影を意識することはありませんが、かたときも自分から離れることはありません。そして、自分がいなくなれば同時に自分の影もいなくなります。
幸い、自分の癌は早期のもので生き死にに直接関わるようなものではなかったのですが、この経験は、自分の死を実感させ、いずれもたらされる死までの時間(生きている時間)をどう使うのがよいか、真剣に考えるきっかけを与えてくれました。