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経済

年金は何年で元がとれるか

長年にわたり支払った年金を何年生きれば取り戻せるか、世代ごとに試算した情報が世の中にはたくさん出回っています。

これらの試算は平均寿命を前提としていますが、平均寿命はあくまでも平均であって、その方が死亡する時期は必ずしも平均とおりとはなりません。
各人の年金収支を締めたところでリターンなのかロスなのかという視点から、このような議論があるわけですが、お金という一つの切り口からの見方に寄りすぎている面があります。well beingというお金も含めたもう少し広い視点から捉えた場合、見え方が変わってきます。

傾向的に平均寿命の延伸とあわせて健康寿命も延びています。企業に所属している場合、一般的に60歳定年、その後の再雇用が65歳まであり、年金受給開始65歳ということになりますが、健康寿命は70代まであることから、企業を離れて数年間、場合によっては想定より長く、健康に働ける状況があります。

仮に、年金受給開始時期を66歳以降に遅らせて、その方の健康寿命いっぱいまで働くこととすれば、受け取れる月当たり年金額は増額されるため、年金生活に入った場合でも生活に余裕が生まれます。

年金は生命保険と同じで安心を買うものであって、加入によってリターンを得るという発想はなじまないのではないでしょうか(結果として、収支がリターンになることはあり得ます)。

この場合、もう1つの前提として、健康寿命いっぱい働くことが、その方のwell beingに貢献しているか否かということがあります。働くことそのものがつらい、苦しいということであれば、また、違った話になってくるかと。。

働くことが自分のwell beingに貢献している状態を維持しつつ、健康寿命いっぱいは働き、税金と社会保険料を納めることで社会に恩を売っておく。健康寿命の終焉とともに年金受給を開始することで、今度は社会のお世話になる。そんな清々しい生き方をしたいものです。