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荘厳な景色に涙した話

テレビの旅番組などで、旅人が美しい景色に遭遇して感動で涙を流すという場面が流れることがあります。
この場面、どうも理解できないというか、景色をみて美しいと思うことはあっても、涙がでるなんてことがあるのだろうかとどこか訝しく思っていました。

そんな自分ではあったのですが、数年前、スイスのマッターホルングレイシャーパラダイスを訪れた際、その神々しさに不覚にも号泣してしまうという経験をしました。
その経験を言葉にあらわすのはとても難しいのですが、理屈で考えるより先に、見たこともない荘厳な景色に感情が大きく揺さぶられたということだったのだと思います。
景色を見て涙が流れたのは後にも先にもこのときだけで、自分の中にもそんな一面があったのだと、自己認識を改めた経験となっています。

グレイシャーパラダイスは有名な観光地で、雑誌やYoutubeにも情報が溢れていますが、それらの情報でこのときのように感動することはありません。やはり、旅行というかたちで実際にその場にいって、五感を通じてはじめて「知る」ということがあるのだと思います。

私は、この経験を通じて、自分の新たな一面を知ることができました(いま風に言えば自分のアップデート)。
自分自身のことですらそうなのですから、自分以外の世の中のことも、身の回りに溢れる情報に触れて知った気になっているだけで本当のところは知ることができていないものがたくさんある気がしています。