儲けのほかに商売で注視すべきもう1つのフロー
商売(ビジネス)をしていると、そのビジネスがどのくらい儲かっているか(利益を生んでいるか)気にする必要があります。
先日のブログ「会計ソフトへのレシート入力のゴールは何か?冷蔵庫を使って説明してみる」では、儲け(利益)はフロー情報を集計する損益計算書が受け持つというお話をしました。
その際の説明ではフローとして利益について触れたのですが、ビジネスにおいて見落としてはならない重要なフローがもう1つあります。
それはお金の流れです。
今回は、一定期間のお金の増減(一定期間のお金の流れという意味で、「キャッシュ・フロー」といいます)について書いていきます。
お金はビジネスの血液
お金はビジネスの血液と言われます。
血液の流れが止まれば人は生きることができないように、キャッシュ・フローが止まればビジネスを続けることはできません。
たとえ利益が黒字であってもキャッシュ・フローの赤字が続けばそのビジネスはやがてつぶれてしまいます。いわゆる、黒字倒産といわれるものです。
なぜそんなことが起きるのでしょう?
いくつかの要因があるのですが、ひとつには売上が立ってから実際にお金が入ってくるまでにタイムラグがあり、逆に仕入れや経費の支払いが先に来るケースが考えられます。この場合、業績が右肩上がりで好調な時ほど、支払いが入金に先んじるため資金繰りが苦しくなります。
ここに利益とは別にキャッシュ・フローを管理する必要性があります。
キャッシュ・フローはどう管理するか
あらためてビジネスにおけるキャッシュ・フロー管理などというと少し構えてしまうかもしれませんが、基本的なところはプライベートのお金の管理とそう変わりません。
例えば、サラリーマンが住宅ローンを組んでマイホームを買う場合、以下の点を検討するはずです。
①頭金はいくら用意できるか
②給与は今後どのように推移するか
③ローンの返済期間と金利から算出される月々の返済額を②で見込んだ給与で無理なく賄えるか
④以上、踏まえていくらのマイホームを購入するか
この考え方はビジネスにも以下のように転用できます。
●ケース1:
飲食店を経営する中小企業が新しいお店を出店する場合
①出店にあたって自己資金はいくら用意できるか
②既存店が生み出しているキャッシュ・フローはどの程度か、今回、出店する新店が生み出すキャッシュ・フローはどのくらいと見込むか
③融資を受ける場合、返済期間と金利から算出される月々の返済額を②で見込んだキャッシュ・フローで無理なく賄えるか
④以上、踏まえて新店への投資額をいくらにするか
●ケース2:
開業間もなく当面、赤字が続いているビジネスの継続を検討する場合
①現時点の現預金はいくらあるか
②当面は創業赤字が続くとして、どのタイミングで黒字に転じるか、その黒字が生み出すキャッシュ・フローはどの程度と見込むか
③融資を受ける場合、返済期間と金利から算出される月々の返済額を②で見込んだキャッシュ・フローで無理なく賄えるか
④以上、踏まえて赤字はこの後どのくらいの期間、許容できるか
利益だけでビジネスの将来を考えることは0.8の視力でものを見るようなものです。
利益とあわせてキャッシュ・フローを考えることで、矯正による1.5の視力で将来を見ることができます。

